
HYROXルール2026–27総まとめ|シングルスの重量・8種目・参加条件・ペナルティ
HYROX(ハイロックス)のシングルスは、1kmのランニングと運動種目(ワークアウト)を交互に8回行う競技です。参加はレース当日16歳以上。部門によって使用重量が異なり、走行距離・種目の順番・動作基準を満たして完走タイムを競います。
この記事は2026–27シーズンのシングルスを対象に、部門別の重量、8種目の動作、当日の準備、違反時の扱いをまとめています。公式PDF全13章を、出場準備に使える順番で読み解きます。ダブルス・リレー・アダプティブの規定とは区別してください。
執筆・編集:ROX NOTE編集部|公式資料確認:2026年9月16日。
まず押さえる5つのルール
ランは合計8km。ワークアウトの前に1kmずつ走り、指定の順番で8種目を行います。
OPENとPROでは重量が違います。同じ器具に見えても、自分の部門の重量を選ぶ必要があります。
距離や回数だけでなく、動作も判定対象です。基準を満たさない反復は数えられず、種目や違反内容によってタイムペナルティもあります。
指定のスタート時刻と計測チップを守ります。チップはレース中ずっと足首に装着します。
持ち物と補給にも制限があります。ヘッドホンなどの禁止装備や、観客からの補給受け取りに注意が必要です。
競技そのものを初めて知った方は、HYROXとは?競技の仕組みと8種目もあわせて読むと、以下の規則をイメージしやすくなります。
参加条件と登録|レース当日16歳以上から
通常のHYROXイベントへの参加に、特別な競技資格は必要ありません。ただし、レース当日に16歳以上であること、参加規約に同意することなどが条件です。「予選を通過しなくても申し込める通常大会」と「出場資格が必要な世界選手権・ELITE」は分けて考えましょう。
登録はHYROX公式サイトで参加都市を選び、登録画面から進めます。シングルスに出場する場合は「HYROX SINGLE」を選択します。2人組のダブルス、4人組のリレー、アダプティブには別のルールブックがあります。
公式ランキングの性別区分は、第2章に定める出生時の生物学的性別に基づきます。同章には、ランキング対象外のレクリエーション参加では自認する性別で登録できる旨も記載されています。登録区分とランキングの扱いは混同しないようにしてください。
妊娠中や負傷によって動作・重量などの調整が必要な場合は、事前に主催者へ相談する規定があります。動作や条件を変更した参加は非競技扱いとなり、公式ランキングや出場枠の対象外になります。負傷している方は、参加前に資格を有する医療専門家の参加許可を得ていることを確認する必要があります。参加の医学的な可否はこの記事で判断せず、医療専門家と主催者に確認してください。
OPENとPROの違い|8種目の順番・距離・重量
シングルスの部門はWOMEN、WOMEN PRO、MEN、MEN PROの4つです。以下では公式の一覧表に合わせ、通常のWOMEN・MENをOPENと表記します。ランはどの部門も同じ合計8kmですが、使用重量は同じではありません。
表の1〜8がワークアウトの実施順です。各種目の前に1kmランが入り、ランだけ、または種目だけをまとめて行う形式ではありません。
順番・種目/距離・回数 | 部門別の重量 |
|---|---|
1 スキーエルゴ 1,000m | — |
2 スレッドプッシュ 50m | WOMEN OPEN:102kg MEN OPEN/WOMEN PRO:152kg MEN PRO:202kg |
3 スレッドプル 50m | WOMEN OPEN:78kg MEN OPEN/WOMEN PRO:103kg MEN PRO:153kg |
4 バーピーブロードジャンプ 80m | — |
5 ローイング 1,000m | — |
6 ファーマーズキャリー 200m | WOMEN OPEN:16kg×2 MEN OPEN/WOMEN PRO:24kg×2 MEN PRO:32kg×2 |
7 サンドバッグランジ 100m | WOMEN OPEN:10kg MEN OPEN/WOMEN PRO:20kg MEN PRO:30kg |
8 ウォールボール 100回 | WOMEN OPEN:4kg MEN OPEN/WOMEN PRO:6kg MEN PRO:9kg |
スレッドの重量はソリ本体を含む総重量です。プッシュ・プルの50mは、12.5mを4本行います。ファーマーズキャリーの「×2」は、記載重量のケトルベルを2個使用する意味です。「—」は、この表で運ぶ重量を示していない種目です。
ウォールボールは全4部門とも有効な反復100回。ただし、ターゲットの高さは女性部門が2.70m、男性部門が3.00mです。WOMEN PROとMEN OPENはボール重量が同じ6kgでも、ターゲットの高さは異なります。
年齢区分とランキングの決まり方
通常大会の年齢別区分(エイジグループ、AG)はレース当日の年齢で決まります。最初の区分は16〜24歳で、その後は25〜29歳、30〜34歳という5歳刻みです。同じイベント・同じ部門では完走タイムの速い順に順位が付き、年齢別のランキングも作成されます。同一部門に複数回出場した場合、ランキング対象は最速タイムのみです。
結果はレース後に公開されますが、ペナルティの追加・修正がイベント終了後48時間以内に行われる場合があります。速報の順位と最終的な扱いが一致するとは限りません。
8種目の動作で守ること
ここでは、各種目の開始・動作・終了を理解するための要点を整理します。細部の位置や判定条件は、各項目からリンクした公式の図とあわせて確認できます。自分で器具やレーンを選ばず、ジャッジチームの割り当てに従ってください。
1.スキーエルゴ|距離を終えても確認前に離れない
1,000mを行い、ジャッジの完了確認を受けてから離れます。足を一時的に持ち上げることやジャンプは認められますが、着地は本体下部の台(ベースプレート)上です。足が床に触れると違反になります。完了時は両足を台に残して片腕を上げ、ジャッジへ知らせます。
2.スレッドプッシュ|ソリ全体が線を越えるまで押す
指定レーン内で、ソリを12.5mずつ4本押します。折り返しはソリ全体が端のラインを越えてから。最後もソリ全体がラインを越えたところで完了です。レーサーとソリは隣のレーンを妨げてはいけません。
3.スレッドプル|立位で引き、ボックスの線を踏まない
ロープを引く動作は立った姿勢で行い、座ったり膝をついたりして引くことは認められません。選手が立って引く指定区画(レーサーズボックス)内で動作し、ロープを持っている間はボックス前後の実線を踏まないようにします。ロープは自分のレーン内に収め、隣の選手を妨げないことも条件です。ソリ全体を12.5mのラインの先まで引いたら反対側へ移動し、合計4本を完了します。

4.バーピーブロードジャンプ|胸の接地と両足の跳躍
80mを、バーピーと前方へのジャンプで進みます。各バーピーでは胸を明確に地面につけ、ブロードジャンプは両足同時に踏み切り、両足同時に着地します。最初と2回目以降では手を置く位置の条件が異なり、足の位置のずれにも規定があります。距離だけでなく公式図の動作を確認する種目です。
5.ローイング|1,000mとジャッジ確認まで座席に残る
1,000mを完了し、ジャッジが確認するまで、立ち上がったり座席を離れたりしてはいけません。途中で休むことは可能ですが、ハンドルをホルダーに戻し、座席に残ります。距離表示だけを見て先に降りないことが重要です。
6.ファーマーズキャリー|休憩で置けるが前へ進めない
ケトルベル2個を、両腕を体の両側に伸ばして持ち、200mを移動します。休憩のため地面に置くことは認められますが、置く際に前方へ進めてはいけません。フィニッシュライン通過後、正しいボックスにハンドルが直立した状態で戻すところまでが完了条件です。
7.サンドバッグランジ|膝の接地と直立を左右交互に
100mを左右交互のランジで進みます。後ろ脚の膝を地面につけ、各反復は膝と股関節を伸ばした直立姿勢で終えます。サンドバッグは両肩に保持し続け、負担を軽くするために地面・足・バリケードなどへ置くことはできません。キャリーで認められる「地面に置く休憩」を、ランジへ当てはめないでください。
8.ウォールボール|深さと命中を満たす100回
股関節が膝より下になるまでスクワットし、両手で投げたボールを自分の部門の正しいターゲットに当てます。基準を満たさない反復はノーレップとなり、有効回数に入りません。地面から拾ってすぐ投げるのではなく、股関節と膝を伸ばした直立姿勢から始めます。デジタル表示がある場合も、正しい動作・物理ターゲットへの命中・ジャッジの確認が基準です。
当日の持ち物・スタート・補給
受付からスタートまで
顔写真付き身分証明書とチケットを持参。身分証は政府発行のものが指定されています。
受付でチップとリストバンドを受け取る。チップは足首、部門を示すリストバンドは手首の見える位置に装着します。
割り当てられたスタート時刻を確認。公式スタート時刻は腕に見える形で記す規定があります。
10分前にスタートトンネルへ集合。レース開始についての説明を受けます。
受付時間・会場への入場案内・具体的なスタート時刻は、出場する大会の案内を優先してください。公式スタート時刻より前にROXZONEやランコースへ入ると、チップが反応して誤った時刻を記録するおそれがあります。
許可装備と禁止装備を混同しない
つま先が覆われた靴の着用は必須です。例外として、ウォールボール実施時は靴を脱ぐことができます。グローブは許可されていますが、グリップは不可。ニースリーブ、ウエイトリフティングベルト、リストバンド、ハイドレーションパックなどは許可一覧に含まれます。
ヘッドホン、耳栓、携帯電話、身体装着型カメラ、カメラや録音などの機能を備えたスマートグラスは使用禁止の対象です。医療機器のため携帯電話を近くに置く必要がある場合は、レース前にレースディレクターの承認を得る規定があります。
許可一覧にない物は、事前の書面許可なしで使えると判断しないでください。また、携帯する許可アイテムはスタートからフィニッシュまで自分で持ち、途中で他人と受け渡しをしないことが条件です。
ジェルは開始時から携帯。観客からは受け取らない
持参する栄養補給品は、レース開始時から自分で持ち運びます。レース中に飲料や補給品を受け取れるのはエイドステーションで、観客などから受け取ることは外部補助に当たります。水はROXZONEを通過する際に提供されますが、スポーツドリンクなどは提供される場合があるという記載です。
給水を頭や体にかけて冷やす行為は認められません。紙コップやジェルの包装は用意されたゴミ箱へ捨て、床やコースへ投げ捨てないでください。
アンチ・ドーピング規定は一般参加者にも適用
アンチ・ドーピング規定の対象はすべてのレーサーで、競技中だけでなく非競技時の検査も含まれます。公式PDFは、治療目的使用の申請であるTUEについてレース28日前までの申請を案内しています。治療薬の使用可否を自己判断で決めず、公式のアンチ・ドーピング規定・申請窓口と医療専門家へ確認してください。
タイムペナルティ・ノーレップ・失格は別の扱い
ノーレップは有効な反復に数えられないこと、タイムペナルティは記録への時間加算、DQは失格、DNSは出走なしの扱いです。「時間を足せばどんな違反でも完走扱いになる」わけではありません。代表的な違反を整理します。
行為 | 扱い・適用条件 |
|---|---|
指定と違うスタート組(ウェーブ)で無許可の出走 | DQ。早いウェーブだけでなく遅いウェーブも対象。 |
計測チップをレース中に装着していない | DNS。チップは足首に装着する。 |
ランの周回不足 | 会場の周回設定に応じ、1周不足につき3〜7分。1km区間を丸ごと行わない場合はDQ。 |
ステーションを順番どおりに行わない | 初回3分。抜けた種目はウォールボールへ入る前に完了する必要がある。複数の順序違反はDQ。 |
ROXZONEのIN/OUTアーチの誤使用 | 1回につき2分。入口と出口を逆に使わない。 |
ケトルベルの返却場所・向きが不適切 | 30秒。ただしROXZONEを出る前に自分で直した場合は免除。 |
ランジ中、負担軽減のためバッグを地面などに置く | 1回につき15秒。両肩で保持し続ける。 |
この表は罰則の全一覧ではありません。種目ごとの警告や修正の条件もあるため、違反名と秒数だけを切り離して覚えないことが大切です。特にステーションの未完了は、完走記録や競技継続の扱いに関わります。継続できると自己判断せず、レースディレクターの判断に従ってください。
選手・スタッフへの妨害、暴言、過度な抗議なども処分の対象です。公正さと他者への尊重は、第13章の行動規範として定められています。
出典:公式ルールブック p.32・33・43・44・45・46
世界選手権とELITE|通常大会との違い
60歳以上は、通常PROと世界選手権の条件が違う
通常大会では、60歳以上もPRO部門に出場できます。一方、60歳以上の世界選手権への出場資格はOPEN部門を通じて得る必要があり、世界選手権でもOPENの重量・回数・距離で競技します。通常大会のPRO出場可否と、世界選手権の予選資格は別の条件です。
世界選手権は出場枠を獲得して招待を受ける仕組みで、招待送信から48時間以内の受諾が必要です。通常大会の年齢区分がレース当日の年齢で決まるのに対し、世界選手権のエイジグループは資格を獲得した時点の年齢に基づきます。枠の繰り下げにはライセンスの有無や辞退回数などの規則があるため、招待メールと第5章をあわせて確認してください。
ELITEはライセンスとポイントの確認が必要
26/27のELITE予選には、NPIポイントという予選用ポイントによるランキングがあり、シングルスは直近365日の対象レースのうち上位5レースの成績を用います。予選ポイントを獲得するには有効なアスリートライセンスが必要で、未保有時の成績を後からライセンス申請で有効にすることはできません。
ただし、26/27導入時には過去成績やポイント計上開始に関する移行措置があります。「直近365日の記録なら、すべて無条件で加算される」と解釈しないでください。対象成績・ポイント対象となる大会の区分・招待条件は第6章と公式ELITE案内で確認する必要があります。
年齢別の世界選手権優勝と、ELITE 15の総合世界王者・賞金の対象は別です。目指す大会がどの枠なのかを決めてから、該当する資格条件を確認しましょう。
全13章の参照先と大会前チェックリスト
ここまでの解説から原典へ戻れるよう、章と開始ページをまとめました。以下のリンクは公式PDFの該当ページを指定しています。PDFビューアによっては先頭から開くため、その場合は記載ページへ移動してください。

図は編集部が提案する読む順番です。参加前に第1〜4章と第9章、練習中に第7・8章、大会前に第10〜13章を読み返し、世界選手権・ELITEを目指す場合は第5・6章を確認する構成です。
出発前に確認する5項目
登録部門と、それに対応する重量・ターゲット高さを把握した。
8種目の順番と、会場ごとのラン周回数を確認した。
顔写真付き身分証明書・チケットを準備し、集合時刻を確認した。
装備と持参補給品がルールに合っている。必要な事前相談を済ませた。
当日は計測チップを足首に着け、指定ウェーブでスタートする。
これは準備用の確認リストです。個別の出場資格や完走を保証するものではありません。
よくある質問
ランニングコースを余分に走ったら、その時間は引いてもらえますか?
いいえ。第7章では、余分に走った周回についてタイム調整は行われないとされています。周回数の管理は選手自身の責任で、会場の周回表示は非公式の補助です。
途中で器具を置いて休めますか?
種目によって違います。ファーマーズキャリーは前方へ進めない条件で地面に置けますが、ランジは負担軽減のためにサンドバッグを地面などへ置くことを認めていません。全種目を同じ休憩ルールで考えないでください。
日本語版と英語版で内容が違ったら?
公式日本語PDFのp.3では英語版が優先されます。同じシーズン・競技形式の資料を公式ルールブック一覧で確認し、疑問が解消しない部分は主催者へ問い合わせてください。
出典と編集方針
主な参照資料はHYROX公式シングルスルールブック2026–27日本語版です。競技イラストはHYROX公式「The Fitness Race」を参照しています。競技規則は2026–27版PDFを基準としています。
本文は主要事項の解説で、すべての例外や運営判断を置き換えるものではありません。個別大会の案内と公式ルールを最終確認に使ってください。旧シーズンとの差分を網羅した記事ではありません。
執筆・編集:ROX NOTE編集部。出典の確認・更新・訂正については編集方針をご覧ください。
