HYROXダブルスはランを分担できる?交代・待機・給水の実践ルール
はじめてのHYROX2026年10月27日

HYROXダブルスはランを分担できる?交代・待機・給水の実践ルール

HYROXダブルスでは、2人とも8本すべてのランを走り、種目の作業量だけを分担します。ランを1人4kmずつに分ける形式ではありません。交代する量は選べますが、器具の受け渡し方と休む側の場所は種目ごとに決まっています。

最初に区別したいのは、「2人一緒に進む区間」「1人ずつ作業する種目」「種目を終えて2人で出る場面」です。26/27シーズンの条件を、公式の交代例と実際の初参加ペアの振り返りに沿って確認します。HYROX APACの部門案内

ラン・種目・休む側を分けて考える

ランは全区間を一緒に走る

2人とも同じスタートラインから一緒に出発し、各種目の間も一緒に走ります。種目の分担を多く引き受けても、相方のランを代わりに走ることはできません。4人で各自2本のランと2種目を担当するリレーの分担・交代とは、この点が違います。公式規則・同時スタート

  • ランの間:全区間で2人一緒。片方が先行して走ると1分加算されます。

  • 種目に入るとき:2人そろって入り、両者が到着してから作業を始めます。

  • 種目を出るとき:全距離・全回数を終えてから、2人一緒に出ます。担当を終えた片方だけが先に次のランへ向かうことはできません。

一緒にいないことによるペナルティが3回を超えると、Out Of Competitionとなり順位はつきません。26/27規則に「何秒差までなら可」という数値基準はありません。公式規則・ランと種目の出入り

ランの1区間は会場によって複数周に分かれ、最初や最後の周の長さが異なる場合もあります。指定ラン全体は8,000mです。「1周したから1km」と決めず、大会の周回案内に従います。種目からは正しい出口を使い、INアーチから出ると2分加算されます。公式規則・周回と出入口

作業は交代し、休む側は立って待つ

公式ルールブックは「You Go I Go」の例に1,000mローイングを挙げています。最初の人が漕いでいる間、相方は待ち、自分たちで選んだ距離で作業を交代します。

2人とも8本のランを走り、ローイング1000mを250mずつ交代する公式例

公式例:1人目250m→2人目250m→1人目250m→2人目250m=計1,000m。250mごとの交代は公式の説明例で、推奨する交代回数ではありません。公式規則・YGIGの例

休む側は立位を保ち、指定された種目ゾーン内で他選手を妨げずに待ちます。膝をつく、座る、寝そべるなど、床に体を下ろす姿勢は禁止。種目によっては後ろを歩く必要があり、休む側もその場の条件に従って動きます。

交代の確認点|8種目で違うこと

距離・回数を分けることと、器具を手渡しすることは別です。ハンドルを渡せない2種目、横・後ろへの受け渡しに限る2種目、ボールを床へ落とすか手渡しする種目に分かれます。器具・レーン・ウォールボール位置は審判側が割り当てるため、2人で空いた場所を自由に選ぶ方式ではありません。公式規則・器具とレーンの割り当て

SkiErg・ローイング|ハンドルを手渡ししない

  • SkiErg:ハンドルの手渡しは禁止。休む側は指定エリア内にいます。ダンパーの初期値は6で、調整できるのは作業中の選手だけです。

  • ローイング:ハンドルの手渡し、相方のためのダンパー・足ストラップ調整は禁止。休む側は作業者の後ろの指定エリアにとどまります。足台は全区分で初期位置4、開始前に自分に合う位置へ調整できます。

SkiErgの1,000mを終えたら、作業者は台の上で片手を上げ、審判の完了確認を受けてから離れます。ローイングも、1,000mの完了と審判の確認が種目を終える条件です。モニターの距離だけを見て、相方を置いて出口へ走り出すことはできません。公式規則・SkiErg/ローイング

目盛りの意味とPM5での確認手順は、ダンパーとドラッグファクターの使い分けで確認できます。

スレッド・バーピー・キャリー・ランジ|待機位置と渡す方向

  • スレッドプッシュ:休む側は作業者のすぐ後ろを歩きます。隣のレーンに入るなど、他選手を妨げる動きは違反です。50mを終えるには4本の12.5mを完了し、ソリ全体が線を越える必要があります。

  • スレッドプル:休む側は常に作業者の後ろ。手や足でロープを扱う補助はできません。声や動作での誘導は、レーサーボックス内やその線へ入らない範囲で認められます。

  • バーピーブロードジャンプ:交代後の選手は、前の選手の足が着地した位置に手を置きます。前の選手のつま先と次の選手の指先をそろえる位置です。待機側は後ろを歩き、横に並んで他選手を妨げません。

  • ファーマーズキャリー:ケトルベルの受け渡しは横か後ろへ。前へは渡せません。休む側は後ろを歩きます。休むため床へ置くことは認められますが、置く際に前へ進めてはいけません。

  • サンドバッグランジ:バッグも横か後ろへ渡し、休む側は後ろを歩きます。作業中は両肩でバッグを支え、床・柵・足などへ置いて荷重を逃がすことはできません。ケトルベルを床へ置ける条件とは異なります。

キャリーはケトルベルを正しいボックスへ、ハンドルが上を向くように戻し、ランジもバッグを指定場所へ戻します。「距離の線を越えた」と「器具を戻して種目を終えた」を混同しないでください。公式規則・プッシュ/プル/バーピー/キャリー/ランジ

ウォールボールの交代

ボールを床へ落とすか、2人の間で手渡しして交代します。相方が投げたボールを次の人がスクワット姿勢で受け、そのまま動作を続ける「空中での交代」はノーレップです。床からボールを拾った場合も、直立して股関節と膝を伸ばしてから次のスクワットを始めます。

休む側はリグ下の指定エリア内にいます。その位置の違反が続く間もノーレップになるため、ボールを投げる人だけの確認では足りません。デジタル表示は補助で、規定の動作・正しいターゲットへの接触と審判の確認が基準です。100回の有効な反復を終えてからフィニッシュへ進みます。公式規則・ウォールボールと交代/デジタル表示の扱い

種目そのものの動きは、8種目の公式動画ガイドで確認できます。

給水はどこで?相方が作業中でも移動できる?

相方が作業中なら、休む側にも所定の位置・立位の条件が残ります。種目ゾーンから自由に給水所へ出かける前提ではありません。水は各Roxzone通過の前・途中・後のいずれかで少なくとも1回利用でき、スポーツドリンク等が用意される場合もあります。公式規則・給水と補給

  • 飲み物:公式給水所を利用します。HYROX APACは、安全のため私物の飲料容器をコースへ持ち込まないよう案内しています。フィニッシュ後の回復エリアにも給水所があります。

  • 補給食:レース中に必要なものは、スタート時から自分で携帯します。コース途中で観客などから飲料・補給食を受け取ることは、外部援助に当たります。

  • 水の使い方:給水所の飲料は飲むためのものです。頭や体にかけて冷やすと違反ごとに2分加算。カップやジェルの包装は設置されたごみ箱へ捨てます。

HYROX APACの給水案内/公式規則・待機と飲料の用途

2人で決める分担と、レース後に見直す分担

分担の割合はチームで選べる

作業量の配分はチームで選べます。等分にする決まりはありません。ただし男女ミックスでも、女性の担当中だけ器具を女子Open重量へ替える方式ではなく、2人とも男子Openの重量を使います。例えばキャリーは24kgのケトルベルを2個、ランジは20kg、ウォールボールは6kgです。ウォールボールのターゲット高は女性2.70m・男性3.00mで、重量が共通でも高さは異なります。公式規則・キャリー重量/ランジ重量/ボール重量と高さ

ミックスリレーでは担当者に応じて女子Open/男子Open重量を使います。この違いはHYROX審判向け資料でも説明されています。Doubles Proは男子・女子の区分があり、ランを一緒に走って種目を分担する形式は同じですが、Proの重量・基準が適用されます。公式の部門案内

交代の多さだけでは決められない

2026年8月の千葉大会に初出場したまるくんさんは、ローイングを「自分300m→相方400m→自分300m」に分けました。交代のたびに足を固定し直すことに手間取り、交代は1回でもよかったかもしれないと振り返っています。本人の体験記・Rowの場面

公式の250m例も、このペアの300・400・300mも、交代量を選べることが前提です。一方、後者には実際に設定・交代にかかった手間がありました。誰が何m漕ぐかだけでなく、自分のストラップを自分で調整する条件まで含めて分担を見る材料になります。「交代1回が全ペアの正解」とは言えません。

ほかの種目で想定と実際がどう違ったかは、千葉2026・初ダブルスの体験記紹介へ。実機を使える場所は自宅・普通のジム・専用施設の使い分けで探せます。

終了後はランと種目の時間を分けて振り返る

公式結果では、総合タイムに加えてランとワークアウトの区間タイムを確認できます。シーズンと大会を選び、名前やゼッケン番号で検索します。交代回数そのものが区間タイムから分かるわけではないため、体験記のような当日の分担と、種目全体にかかった時間を合わせて振り返ります。HYROX APACの計測・結果案内

次に2人で種目の交代を確認する際は、8種目の受け渡し・待機位置へ戻れます。

出典

規則の対象:HYROX Doubles 2026/27。原典再確認:2026年10月30日。

執筆:ROX NOTE編集部